実際、あがり症の治し方というのは、あるのでしょうか?
私は、あると信じています。
あがり症の治し方として、私が思うに、その一番の方法は「慣れる」ということです。
自分があがりそうな場面に慣れる、つまり、「場慣れ」するということです。
もし、あなたが、人前で話すことがとても苦手だったとしても、例えば、50人の前で、毎日、毎日、話をするとしたら、・・・
100日後、どのようになっているでしょうか?
人前で話すことに慣れてしまって、あがることもほとんどなくなっているのではないでしょうか。
あがり症の症状というのは、「あがり症の症状はどうして出るの?」の記事でもお話ししたとおり、人間が自分の身を危険から守るために本来備えている防衛本能によって、必然的に引き起こされる現象です。
ですから、上で述べたように、同じような場面を100回も経験すれば、本能が、その場面は自分にとって危険でないと十分認識するので、あがり症の症状も治まると言うことなんですね。
それでは、あがり症の治し方として、「場慣れ」することが大切であることはわかったとして、現実的に、どのようにすれば、場慣れすることができるんでしょうか?
それには、次の2つの方法があります。
1.あがりそうな場面に身を置く機会を増やすこと。
2.あがりそうな場面に身を置く疑似体験をすること。
1つ目の「あがりそうな場面に身を置く機会を増やす」というのは、言うなれば、本番の機会を増やすと言うことです。
あがり症の人は、自分があがりそうな場面に身を置くことを極端に避けようとします。
それは、過去の体験として、自分があがってしまって失敗をしてしまったネガティブな体験から来るので、ある意味、仕方ないことなのですが、・・・
しかし、そうは言っても、自分があがりそうな場面を完全に避けて、逃げ回っているばかりであれば、当然に「場慣れ」することなどあり得ません。
ですから、本当にあがり症を治したいのであれば、自ら積極的に、そのような場面に身を置く機会を増やす必要があります。
このように、「場慣れ」するためには、本番の機会は増やす必要があるのですが、一方において、人によっては、そのような機会を増やそうとしても、その機会自体がほとんどない場合もあります。
例えば、結婚披露宴でのスピーチが苦手という人の場合、本番である結婚披露宴に呼ばれる機会も、そうそう、あるわけではないでしょう。
それでは、どうすればいいかということですが、それが、2つ目の「あがりそうな場面に身を置く疑似体験をする」につながります。
つまり、同じような場面を想定して疑似体験をすると言うことです。
具体的には、次のような方法が考えられます。
・例えば、入学試験や資格試験で、あがってしまうというのであれば、本番の試験前に、模擬試験を多数受けて、試験慣れしておく。
・例えば、人前で話すのが苦手であれば、話し方教室に通って、毎回、3分間スピーチをして、スピーチに慣れる。あるいは、自宅で、毎日、本番を想定して、スピーチの練習をする。
・「成功体験をイメージングしてあがり症を克服」の記事で述べたようなイメージングによって、自分があがりそうな場面でも、あがることなく自然体で振る舞っている様子をイメージして、成功の疑似体験をし、これを毎日繰り返す。
以上のような方法によって、体験を積むことによって、自分のあがりそうな場面について、次第に「場慣れ」することができるようになります。
あがり症の治し方としては、このような「場慣れ」が一番適した方法であると考えます。