がり症の人は、過去に、或る場面,或る状況において、
あがってしまって、失敗した経験があると、
同じ場面,同じ状況になることを避けようとする
傾向があります。

例えば、過去において、友達の結婚披露宴で、
こんな失敗をした場合などです。



司会者の人に友人代表として紹介されて、
マイクの前に立ちます。

会場から、いくつもの視線が自分に突き刺さってきます。


そのため、
顔は真っ赤になり、心臓はバクバク。
背中には汗をかき、口の中はカラカラ。


そんな状況で、
昨夜、一生懸命に覚えた内容を思い出し、
スピーチを始めます。


途中までは、いい調子。

『これなら、乗り切れそう!』


しかし、後半になって、あと少しという所で、・・・


何の前触れもなく、突然、頭の中が真っ白となり、
何を話しているのかわからなくなってしまいます。


思い出そうとしても、何も思い出せません。


1秒,2秒,3秒,・・・
無言の時間が続きます。


会場からは、
「えっ、いったいどうしたの?」
という表情が見て取れます。


焦る,焦る。

『なんとかしなきゃ』
そう思っても、フリーズ状態で口が動きません。


すると、やっと、
気を利かして司会者の人が
助け船を出してくれて、
なんとか、その場を脱出。

最後は、しどろもどろの状態で、
「おめでとうございます。」
と言って、逃げるよう、その場を立ち去ります。


ようやく、自分の席についても、
顔は真っ赤なままで、
恥ずかしくて顔が上げられません。

周りも気を遣ってか、何も話しかけてきません。

大勢の人のいる結婚披露宴で、
こんな失敗をしてしまったら、
「二度とスピーチなんかやりたくない」
と思ってしまうことも当然でしょう。


実は、この話、私の実体験です(苦笑)。


こんな体験をしてから、私は、
結婚する友達からスピーチを頼まれても、
逃げ回っていました。


しかし、私も、その後、あがり症を改善する方法を知り、
自分であがりをコントロールすることができるようになってからは、
結婚披露宴のスピーチも進んで引き受けるようになったんですね。




このように、過去において、
あがって、失敗した経験があると、
同じような場面,状況を避けようとしますが、

しかし、それでは、いつまでたっても、
自分の中の苦手意識はなくならないし、
あがり症を克服することはできません。


なので、そのような場面,状況に
自分から飛び込んでいく勇気が必要
です。


ただ、そのためには、
あがり症を改善するための知識を深め、
事前のトレーニングや徹底した準備を
行っておくことが大切となります。