がり症の人にとって、「話し方教室」というのは、かなり興味深い存在かも知れません。

話し方教室の中にも、あがり症の克服を第1の目的に掲げているところもあるようですから。

実際、あがり症は、話し方教室に通うことで克服することができるのでしょうか?


かつて話し方教室に通ったことがある私の経験からすると、話し方教室に通うことによって、あがり症をすぐさま克服できるかどうかはわかりませんが、あがり症を克服するためのきっかけになることは確かです。

なぜなら、話し方教室は、あがり症を克服するためのトレーニングの場としては、打って付けだからです。

特に、人前に出たり、人前で話したり、あるいは、初対面の人と話したりする場合に、あがってしまうような人にとっては、最高のトレーニング環境であると言えるでしょう。


では、あがり症克服のための、話し方教室のメリットとしては、どのようなものがあるんでしょうか

メリットとしては、次の3つが考えられます。

1.話し方の基本が学べる。
2.人を相手に練習ができる。
3.半強制的にトレーニングが積める。


それでは、1つずつ説明していきましょう。



1つ目は「話し方の基本が学べる」についてです。

ちょっと、思い出してほしいのですが、あなたは、今まで話し方について、じっくりと学んだ経験がありますか?

多くの人が、Noと答えるのではないでしょうか。

「話す」という能力自体、幼い頃から自然と身に付いてきたものですから、取り立てて学ぶということをしなくても、日常において、なんら支障はないですし、学校でも、話し方に特化した授業を行っているということはあまり聞いたことがないですから。


しかし、いざ、人前に立ったとき、あるいは、初対面の人に会ったときに、どんな話をどのようにを話したらいいのか、その場でわからなくなり、戸惑ったりすることがあります。しかも、それが原因となって、あがってしまって、しどろもどろで、うまく話せなくなるということは、往々にしてありますよね。

なので、あがり症の人にとっては、特に、話し方の基本について、一度、しっかりと学んでおき、人前に立った,初対面の人に会ったときに、どのように話せばいいのか、予め理解しておくことが、あがり症を克服する上でも、有効な手段の一つと言えます。


2つ目は「人を相手に練習ができる」についてです。

本来、あがり症とは、「あがり症とは、そもそも、何なの?」の記事でも述べたように、人に見られているとか、人と話さないといけないとか、人との何らかの関係における或る場面において、緊張や不安や焦りなどの、心理的な現象が、手や声の震え、赤面、冷や汗、動悸など、身体的な現象を引き起こす状態のことをいいます。

つまり、あがり症は人(他人)との何らかの関係が要因となっているため、他人の存在が必須要素となります。

そのため、他人を相手に話し方の練習ができる話し方教室というのは、あがり症克服のためのトレーニングの場としては、その点においても、最適な場であると言えるわけです。

また、話し方教室にやってくる人が、すべてあがり症であるとは限りませんが、少なくとも、人と話をすることに何らかの問題を抱えている人が大半です。

なので、相手の不安や悩みも理解できるので、練習相手としては、最も適していると言えます。


3つ目は「半強制的にトレーニングが積める」についてです。

話し方教室では、多くの場合、毎回、みんなの前でスピーチをすることが求められます。
私がかつて通っていた話し方教室でも、授業の冒頭、参加者全員が3分間スピーチをすることが義務付けられていました。

そのため、話し方教室の授業がある前日には、家で、話す内容を考えた上で、スピーチの練習を一生懸命にやり、当日、なるべく恥をかかないようにしていました。

このように、話し方教室に通うことで、人前で話すためのトレーニングが半強制的に行われるので、徐々に、スピーチも上達しますし、人前で話すと言うことにも慣れていきます。

その結果、人前で話す際に、あがりをコントロールできるようになります。



以上のよう、話し方教室には、あがり症を克服するためのメリットがいくつも存在します。


しかし、話し方教室も、メリットばかりというわけではありません。
デメリットも、存在します。

それは、話し方教室は、通わないと学べないということです。

そのため、話し方教室が、家の近くや職場の近くにあればいいですが、ない場合には、大都市など話し方教室が多数ある場所まで、通わないといけないということです。


ただ、もし、あなたが、あがり症の克服のきっかけを見つけたいのであれば、ある程度、場所が遠くても、話し方教室に通ってみることをお勧めいたします。

話し方教室には、それだけの価値があると思いますので。