なたは、あがりそうになったとき、頭の中で何を思っていますか?

例えば、朝礼で何かスピーチをしなければいけなくなったとき、・・・

「わぁ~、めっちゃ、みんなに見られてる~」

「『あいつ、顔真っ赤じゃん(笑)』って思われているだろうな」

「とちったら、後でみんなにからかわれるんだろうなぁ」

などと思うかも知れません。


あがり症の人の、あがっているときの心理状態というのは、
「人から見られている」、
「人から○○だと思われている」
といった具合に、意識がすべて自分に向いてしまっているんですね。

こうして、一旦、自分に意識が向いてしまうと、
ますます、自分を追い詰めることとなり、
どんどん緊張度が高まり、あがりの状態がひどくなっていきます。


なので、あがりを抑えるためには、
意識が自分に向かないようにする必要があります。

言い換えれば、自分以外のものに意識が向くように仕向ければ、
あがりをコントロールすることができるということです。


それでは、自分があがりそうな場面で、
自分以外のものに意識を向けるには、どうしたらいいんでしょうか?


例えば、あがりそうな場面で何か話をしなければならない場合には、
次の2つの方法があります。

1.自分の話す内容に意識を向ける
2.話す相手に意識を向ける



では、順番に見ていきましょう。


自分の話す内容に意識を向けるというのは、
自分が、話を通して、相手に伝えたい思いに意識を集中するということです。

具体的には、その思いを相手に伝えるために、
「この話の次は、あの話をしよう。」とか、
「こちらの話の方が相手に受けがいいかもしれない。」とか、
「ここは感情を込めて、言った方がいい。」とか、
いった具合に、頭の中で考えながら、話をするということです。

このように自分の話す内容にどんどん意識を集中させると、
「人から見られている」などといった思いが消え去り、自分に意識が向かなくなります。


一方、話す相手に意識を向けるとは、どういうことでしょうか?

この場合、スピーチをする際のように、
話す相手が大勢であるなら、その中の特定の1人に意識を向けてもよいし、
多数の各々に意識を向けるようにしてもよいです。


例えば、相手の髪型や服装や持ち物に目を向けたり、
相手の表情や仕草を観察したり、相手の話の内容に集中したりすることです。

このように、話す相手に、自分の意識を集中させるようにしても、
自分に意識が向かなくなり、あがりをコントロールすることができるようになります。


以上のことを別の言い方に変えると、あがりをコントロールするためには、
自分が、人から見られている、
人から○○だと思われている、という視点から、

自分が、人(相手)にこのことを伝えるんだ、
人(相手)を見ているんだ、
人(相手)を△△だと思っているんだ、
という視点に切り換えることが重要だということです。


このように、見られている、思われているという受動的な視点から、
伝えている、見ている、思っているという能動的な視点に切り替えることにより、
自分以外のものに意識を向けることができ、あがりをコントロールすることができるようになります。