がり症の人に一度はやっていただきたいこと。

それは、自分があがりそうな場面において、
仮にあがってしまった場合に起こり得る最悪の事態を考えてみるということです。


例えば、初対面の挨拶で、
相手が異性で、あがってしまった場合を想定してみます。


自己紹介をしようとしますが、
緊張して口がうまく回らず、
どもりがちになり、
自分の名前をかんでしまった。

そのため、恥ずかしさのあまり、
頭に血が上り、顔が真っ赤になってしまう。

顔からは汗が噴き出て、
心臓の動悸は激しくなり、
足が震え出す。

「きっと、心の中で『変な人!』と思われているんだろうな」と
思ってしまい、相手の顔をまともに見られず、
その場を早く立ち去りたくなってしまう。


確かに、最悪の状況ですよね。
そのときは、「死ぬほど恥ずかしい」と
思うかも知れません。



しかし、いくら「死ぬほど恥ずかしい」とはいっても、
実際に、命が取られるわけではありませんよね。


それでは、この状況が本当に最悪な事態なのか、
冷静になって分析してみましょう。

自己紹介をしようとしますが、
緊張して口がうまく回らず、
どもりがちになり、
自分の名前をかんでしまった。

確かに、うまく自己紹介ができなかったのは残念ですが、
どもりがちになりながらも、相手に、
自分のことを伝えることはできたのではないでしょうか。

恥ずかしさのあまり、
頭に血が上り、顔が真っ赤になってしまう。
顔からは汗が噴き出て、
心臓の動悸は激しくなり、足が震え出す。

これは、前にもお話ししたとおり、
人が自分の身を危険から守るために
本来備えている防衛本能によって、
必然的に引き起こされる身体的な現象です。

ですので、この時点では、
止めることはできない現象なので、仕方ないですね。

「きっと、心の中で『変な人!』と思われているんだろうな」と
思ってしまい、相手の顔をまともに見られず、
その場を早く立ち去りたくなる。

「『変な人!』と思われているんだろうな」というのは、
あくまで、自分がそう思うだけであって、
実際、相手はそのように思っていないかも知れませんよね。

もしかすると、反対に
『シャイで、奥ゆかしい人』と
好印象に思われているかも知れません。

また、仮に『変な人!』と思われていたとしたら、
どういった不都合があるのでしょうか。

ちょっと、挙げてみます。

1.第一印象が悪かったので、
その後、その人とは疎遠になってしまう。
2.「あの人、変な人なんだよ」と、
他の人に触れ回られ、自分の評判を落とされる。
など


しかし、1の場合は、縁がなかったんだと思えばすむことですよね。
もし、どうしても、という場合は、
別の機会に会って、リカバリーするようにすればいいでしょう。

2の場合は、そのような悪口を広める人とは、
今後も、つきあいたくはないですよね。嫌われて正解です。


このように、自分があがってしまったときの最悪の事態を考えて、
それを冷静に分析していくと、
あがること自体、それほど大したことではないように
思えてくる
のではないでしょうか。

しかも、最悪の事態とはいっても、
先ほども述べたように、
自分の命が取られるわけではありません。


以上のように、
「あがること自体、それほど大したことではない」と
考えられるのであれば、
前回、お話しした開き直りも、簡単にできるのではないでしょうか。

つまり、
「人から見られている」,「人から○○だと思われている」という風に、
自分に意識が向きそうになった瞬間に、
「人から見られていてもいいじゃないか!」
「人から○○だと思われてもいいじゃないか!」
と開き直ったり、
さらには、「あがったっていいじゃないか!」
と開き直ったりすることが、簡単にできるということです。