がり症の症状というのは、前にも述べたとおり、
ストレスに対する心身の防衛本能に基づき、
交感神経が刺激されることによって、
引き起こされる現象です。

しかし、実際に現れる症状自体は、人によってまちまちです。

あなたがあがったときに、
「自分はどのような症状が出やすいか」を、
予め、把握しておくことも、
あがり症を改善する上で大切なことです。


それでは、あがり症の症状として、
どのようなものがあるか、見ていきましょう。


・汗をかく
人前に出たときに、ワキや額や背中に
冷や汗をかいたりする症状です。

・手足が震える
人前で文字を書かなければいけない場合に、手が震えたり、
人前で話そうとして、足が震えたりする症状です。


・声が震える
人前で話そうとして、
声がうわずったり、どもったりする症状ですね。


・顔が赤くなる(赤面)
人と面と向かって話す際、頭に血が上って、
顔が赤くなる症状です。
私も、まさに、この症状で
いろいろといやな思いをしました(泣)。


・顔が硬直する
人と会っているときに、表情がぎこちなくなったり、
自然に笑えず、笑顔が引きつったりする症状ですね。



・心臓がドキドキする(動悸)
人前で話をしなければいけないときなど、
その瞬間がだんだんと近づくにつれて、
心臓の鼓動が激しくなる症状です。


・口が渇く
人前で今から話さないといけないときに、
口の中が乾いたり、粘ついたりする症状です。


・呼吸が浅くせわしない
人と会話しているとき、知らないうちに、
呼吸が浅くなって息苦しくなるため、
呼吸がせわしなくなる症状です。


・食事がのどを通らない
例えば、結婚披露宴でスピーチを頼まれている場合に、
目の前の豪華な食事を食べたくても、
のどを通らないなどの症状です。


・尿が近い
人前で話をしなければならない場合に、
トイレに行ったばかりなのに、
また、トイレに行きたくなったりする症状です。


・頭の中が真っ白になる
スピーチをしている最中に、
次に話す内容をど忘れしてしまい、
思い出そうとしても、頭の中が真っ白になって、
思い出せないという症状です。


・視線が定まらない
人と会話していて、相手の目が見られず、
視線が不安定となり、キョロキョロしてしまう症状です。



さらに、あがり症の過度の症状としては、
次のようなものもあります。

・声が出なくなる

・めまいがして立ってられない

・呼吸困難や過呼吸になる



以上が、あがり症の具体的な症状です。



あなたは、どの症状が当てはまりましたか?



さて、これらの症状の中には、
あがり症でない人にとっても、
普通に起こりうる現象が含まれています。


これは、前にも述べたとおり、
「あがる」という症状自体は、
人間が本来備えている防衛本能によって、
必然的に引き起こされる自然な現象
なので、
当たり前のことといえます。


ただ、あがり症でない人の場合、
それらの現象が起きたとしても、
何ら気にも止めないため、
普通に過ごすことができているわけです。


しかし、あがり症の人の場合は、
自分の過去のネガティブな経験から、
また、これらの症状が起きるのではないかと不安がったり、
あるいは、これらの症状が起きた際に
他人にそのことを知られるのではないかと恐れたりして,
自分で自分自身を追い込んでしまいます。

そのことがさらに、症状を悪化させてしまい、
負のスパイラルに陥ることになるんですね。


なので、今後お伝えするトレーニングを通して、
小さな成功体験を積み上げることにより、
あがり症を克服することができれば、
例え、上記ような症状が起きたとしても、
普通の人と同じように、何ら気にも止めず、
普通に過ごすことができるようになります。



あがり症は、必ず改善することができます。

諦めず、取り組んでいきましょう。