あがり症とは、だいたい、どんなものかわかったところで、
では、あがり症の症状はどうして出るのでしょうか?
人間は、ストレスを感じると、
頭の中で、ノルアドレナリンという神経伝達物質が分泌されます。
ノルアドレナリンは、交感神経を刺激して、
心拍数を増加させたり、血圧を上昇させたりします。
その結果、心身が覚醒し、
集中力や判断力が向上したり、痛みを遮蔽したり
するなどの効果をもたらします。
どうして、こんなことが起きるのでしょうか?
それは、古来より、
人間が、外敵に対し、
自分の生命の危機を感じたとき、
その外敵と戦うか、それとも、一目散に逃げるか、
瞬時に判断して、機敏な行動をとる必要があったからです。
つまり、あがり症の症状は、
人がストレスを感じることによって、
頭の中でノルアドレナリンが分泌され、
交感神経が刺激されることによって起きる
一連の現象だといえるのです。
従って、あがり症の症状は、
人間が自分の身を危険から守るために
本来備えている防衛本能によって、
必然的に引き起こされる、
ごく自然な現象なんですね。
ですので、「あがる」という症状は、
人間であれば、誰でも起こり得る症状だといえます。
なので、その症状は、あなただけに、
特別に起きているわけではないのですね。
一見、まったく「あがっている」ように見えない人であっても、
あとで、こっそり尋ねてみると、
実は「ドキドキだったんです。」という
意外な答えが返ってくることがあります。
まずは、あがり症を克服する第一歩は、
「あがるのは自分だけじゃない、誰でもあがるんだ!」
という思いを持つことが大切です。